首長と議会

地方議会において、「問責決議」や「辞職勧告決議」が報道されています。
どちらも、法的拘束はありません。
地方自治法第178条の「不信任決議」は、別の機会にUPしたいと思います。
議会は、「議決機関」であり、首長を含む行政は「執行機関」と言われます。
議会承認がないと、予算は決められず、条例も決めることができません。
首長には、「専決処分」もありますが、これも別の機会にUPします。
議会において、議員に対する「問責決議」や「辞職勧告決議」は、議会内のことなので、議会で判断できます。
時に、首長が、議会に対して直接関与しようとすることがあります。
これは、できません。
議会は、「自主権」が担保されています。
首長は、議会に対しては、運営、議事進行、議員の身分を含めて、何ら関与できません。


かつて、鎌倉市で、自分に対抗する議員を何とか黙らせようと、市長が鎌倉市の顧問弁護士に「銀を何とか処分させることはできないか」と相談したことがありました。
このことは、行政文書として残っています。
ある職員が教えてくれて、情報公開請求を行い、発覚しました。
この時は、鎌倉市長の問責決議可決しています。その後も、鎌倉市では不祥事が続き、市長問責決議が何度も可決しています。
しかし、法的拘束力はありません。

鎌倉市議会では、かつて議会事務局職員が、採決前に各議員を周り、賛否について確認して、一覧表にして市長に渡していた、ということもありました。
議員の採決は、委員会もしくは本会議において行うものであり、予めは判断は意味をなさないことです。
この時は、徹底的に抗議しました。
意味不明な言い訳をしていましたが、こんなことをしているから、「出来レース」と言われます。

ある地方議会のYoutubeを見る機会がありました。
市長と議会が対立している、というものです。
市長の発言に問題があるとも思いますが、それ以上に議会としての機能不全に陥っていると思います。
議員が居眠りをしていた、ということが発端のようですが、当時の議長も「国会でも県議会でもある」などと言っている時点で、議事整理権や秩序保持権を理解していません。
また議会は、市長や議員が、個人的な意見を述べる場ではありません。
議長が、きちんと議事整理できないから、混乱に拍車がかかっているように思います。
「市民のため」が、政治家の本来であると思います。

地方議員の方とお話をする機会がありますが、「鎌倉市議会の議事録、見ています」という声を何度も聞きました。
今でも、議会運営について、相談もいただきます。
議会事務局がよく相談しているのが、「全国市議会議長会」。
元議会事務局に勤務されていた方が、回答しているようです。
しかし、前例主義に固まって、地方自治法も読み解けない。
議会と執行部の在り方が、大きく変わっているのに、時代についていけない。

首長と議会は、緊張関係であるべきと、思います。

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